White Elephant

音楽の旅プロジェクト『White Elephant』の記録。

3月7日(土)<Peace Table〜第二話・手紙〜>

「第一話・星を作る」の御報告がすっかり遅くなってしまいました。ごめんなさい。皆様、いかがお過ごしでいらっしゃいますか。あれから一ヶ月。私は現在、アートプロジェクト『赤崎水曜日郵便局』の仕事で、熊本県葦北郡津奈木町に約10日間の滞在制作をしております。地元にお住まいの皆さんと共に、歌を一つ作る為です。

いつもは二泊三日程の滞在なのですが、ひとつの町と向き合って作品を作るにあたって、それはけして充分な長さではありません。機会があればいつか、出来ることならいろんなお宅にもお邪魔させていただきつつ、寝起きをし、歌を作りたいというお願いをしておりました。その甲斐あって今回はいくつものご家族にお世話になりながら、ごはんや寝床やたくさんの蜜柑を頂きながら、海に行ったり、雨天を見上げたりしています。そうしてせっかく長い滞在なものですから、<Peace Table>の第二話をここ津奈木町で開くというのはいかがでしょうか。と、地元スタッフの方に御相談したところ、ご快諾頂き、開催の運びとなりました。

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第一回目は東京・飯田橋の「ギンロク」というスペースで上映とトークライブを行いました。写真の手紙はその時、オープニングパフォーマンスとして即興で書いたものです。

 

私は何かというとよく手紙を書く人間で、新しく編集をした映画『White Elephant』の冒頭にも、手紙を書くシーンが挿入されています。emailという伝達手段が主なコミュニケーションツールになった現代、手で文字を書いて伝えるという人は、とても少なくなりました。よく手紙を書く私ですら今は殆どこうしてキーボードを用いて文章を書くようになり、筆圧も落ち、文字もどんどん崩れ、たぶんとても臆病になりました。


自分の心と脳が一本の線となって体で文字を綴る。という行為には、はっきりとした意志が必要です。言葉と心の関係はけしていつ何時も正直さを伴うというわけではなく、裏腹な文章を書いてしまったりもしますが、文字は、嘘をつくことが出来ません。

書いているうちに心細くなれば線は薄く、小さくなっていき、手はいつしか止まって進めず、破いて捨ててはいつの間にか眠って朝になり、読み返して馬鹿馬鹿しくなって結局捨ててしまったりする。年賀状ひとつ取っても、そんな具合です。だからもう、せっかく届いたお手紙や葉書にすらお返事を書けないくらいの臆病者になってしまった。筆無精に拍車がかかって、旧友は年々減る一方です。

 

手紙ひとつ自信を持ってポストに投函出来ないのか?と、自分が情けなくなりますが、キーボード生活のつけはそんな風にして私の体中にも萬延しています。そんな数年前のある日。『赤崎水曜日郵便局』という手紙のプロジェクトのスタッフをやってくれないか。と、友人で映画監督兼プロデューサー・遠山昇司から声が掛かり、私は「手紙」とまた深く関わることになりました。


アートプロジェクト「赤崎水曜日郵便局」

 

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『赤崎水曜日郵便局』地元スタッフ・松田修さんFacebookより 

 

直前ですが、改めてご案内です。
私が実行委員をさせていただいている
赤崎水曜日郵便局でポストマンをしてくれている
玉井夕海さんの作られたドキュメンタリー映画
「White Elephant」上映会 &
玉井夕海さんのアコーディオンによるライブを
今週の土曜日7日に開催しますので
お時間のある方は、ぜひお越しください。
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3月7日(土)14時より
熊本県津奈木町 染竹公民館にて開催
(津奈木小学校の前の道をさらに200mほど上った左側)
料金;大人¥1,000 高校生以下¥500
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赤崎水曜日郵便局のホームページに掲載されている
玉井さんのプロフィールなども紹介しておきます。
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玉井夕海 ウタウタイ
1977年、東京都生まれ。
東京藝術大学建築科在学中に宮崎駿主催アニメーション演出家養成講座「東小金井村塾2」を修了。その後、映画『千と千尋の神隠し』リン役に抜擢。天草からのインスピレーションを元に仲間達と制作した 映画『もんしぇん』(製作/シグロ・MK)は、伝説の仮設映画館・一角座を初め、2006年全国各所にて上映。脚本(監督・山本草介、イメージ設計・海津研との共作)・主演・音楽(Psalm)を担当。2012年、主演映画『NOT LONG, AT NIGHT -夜はながくない- 』が第25回東京国際映画祭<日本映画・ある視点部門>にノミネート。現在は、音楽の旅プロジェクト《White Elephant》を敢行中。
今回は、メッセンジャーとして住民などと交流を重ねながら手紙が無事に届くよう努める。 2013年10月より『渋さ知らズオーケストラ』メンバー。
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2月11日<Peace Table>第一話、定員オーバー

2月11日<Peace Table>第一話・星を作る
映画『White Elephant』(もう少しで完成)上映会+玉井夕海

ありがとうございました、ご予約で定員をオーバーしてしまいました。
申し訳在りません、

締め切らせて頂きます。尚、第二話は未定です。

 

お問い合わせは
clap.your.hands.mysweet@gmail.com 

までお願い致します。

2014.2.11.『Peace Table』open

 

 

Peace Table
 
 
第一話
 
 
〜星を作る〜
 
 
映画『White Elephant』(あと少しで完成)
 
 
 
 
 
日時:2015年2月11日
 
19時半スタート
 
お代:投げ銭(上限なし)
 
場所:ギンロク
 
〒162-0825 東京都新宿区神楽坂2-19-603
 
 
 
 
 
映画は97分。
場所は、ギンレイホールという映画館の上
エレベーターなしの6階です。
 
当日突然の御来場も大歓迎ですが
会場が大変狭いため
来場者多数となった場合は
予めの御予約頂戴致しましたお客様を
優先させて頂きます。
 
又、会議の模様は撮影収録・編集し、
後日『White Elephant』プロジェクト youtube サイトにてアップいたします。
 
ご了承ください
 
White Elephant
 

映画『White Elephant』の絵が決まりました。

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私達制作者側として連ねたいと思う絵は、決まりました。

切って貼って、9ヶ月かかりました。

作業はまだまだ続きますが一段落です。

早く皆さんにお届け出来ますよう、けれど焦らず、頑張ります。

 

 

 

2015新春。再始動。

 

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新年のご挨拶が遅くなってしまいました。2015年、初めての投稿です。少し盛りだくさんです。1月8日。同居していた我が祖母にして、掛け替えのない親友・BABAと、同じ日に旅立った、敬愛するウタウタイの先輩・大藪勝彦さんの四十九日が無事に過ぎ、二人が無事に天に昇ったことを・・・祝っていいのかわかりませんが、記念して、TwitterFacebookを再開します。思うところあって四ヶ月前、SNSから足を洗ったのですが、作戦を変更します。どうしたものか、二人と話し合って決めました。いつまで続けるか判りませんがしばらくは居ります。頻度は以前に比べて少なくなると思いますが、春には、映画も音源も出来上がります。やれることは全部やりながら、一人でも多くの方々の元へお届け出来たらと願っています。ソロも、デュオも、トリオも、カルテットも、もっともっと大勢も、どんどこ増やしながら駆け回る一年になったらいいな。

 

Yoomi Tamai (@bouz_kobouz) | Twitter

玉井 夕海 | Facebook



というわけで、まずは年初めに歌います。

私が正式に『渋さ知らズ』の一員として迎えていただき、過ごした去年。一番最初に参加したのが新春恒例 O-EAST LIVEでした。お客さんとして一度も渋さを観たことがないまま、竜巻に巻き込まれるようにいつの間にか仲間に入れてもらったので、やっぱり一度は外からちゃんとお客さんになりたいな。と、出番前、着替えを済ませた格好で二階観覧席の隅っこに上がり、わくわくと始まりの音楽に拍手をしました。隣では、その日の共演者だったクラムボンのミトさんが、一緒に拍手をしていました。(私はその時まで、クラムボンのミトという人は、女の人だと思っていたので、楽屋が一緒のこのお兄さんは何の奏者の方だろう。と思って、お話していました。)


眼下には、海のようなお客さんが正月の気分を背負ったまま酔っぱらいながら畝っており、舞台では、金管楽器に反射した光を受けて、歳の若い人や、もうそろそろ倒れそうなひとや、白く体を塗った女の人や、男の人や、黄緑やオレンジの髪の淑女や、ふんどしのひとが、ひしめき合って、いえいいいえいと煌めき輝きを放ち、縦横無尽に闊歩して、それはもう無茶苦茶にぐちゃぐちゃで、そのぐちゃぐちゃに最後ひょうひょうと遅れて入って来たのは、くたびれた黒い鞄を斜めにかけた、姿勢の悪く背中の大きな白い服の男の人で、その人が、すっと手を上げた時。ああ。これはきっと、あの町の風景だ。と思ったら涙が溢れて来て止まらなくなってしまったことを覚えています。

いつの間にか私は忘れてしまった記憶の向こうにその町はあって、その町に住む人達はみないろんな理由でぼろぼろだったが輝いていて、わたしはそこで笑いながらくるくると踊り、歌っていた。それがどこにあった町であるかは定かではないけれど、きっと確かにそうだった、とぽろぽろ泣きながら、これはとんでもない楽団だ。と光の中で出逢いに感謝し、闇に包まれた遠い二階の端っこからみんなに拍手を送りました。

あれから、一年。

 

 

新春恒例 LIVE 2015 O-EAST

LINE
渋さ知らズ大オーケストラ

 

■メンバー
不破大輔(ダンドリスト) / 北陽一郎(tp) / 石渡岬(tp) / 石川寧(tp)
 松本卓也(ss) / 梅津和時(as) / 林栄一(as) / 川口義之(as) / 立花秀輝(as)
 片山広明(ts) / 登敬三(tb) / 纐纈雅代(ts) / 広沢リマ哲(ts) / 鬼頭哲(bs)
 中根信博(bs) / 高橋保行(tb) / 菱沼尚生(tuba) / 石渡明廣(g)
 斉藤社長良一(g) / ファンテイル(g) / ヒゴヒロシ(eb) / 小林真理子(eb)
 KenKen(eb) / 太田惠資(vln) / 山田あずさ(vibe) / 山口コーイチ(key)
 関根真理(per) / 磯部潤(ds) / 山本直樹(ds) / 藤掛正隆(ds) / 渡部真一(vo)
 玉井夕海(vo) / 上田創(dance) / さやか(dance) / 若林淳(舞踏) / 東洋(舞踏)
 宝子(舞踏) / / スガコ(お調子組合) / アスカ(お調子組合) / ボス(acter)
 青山健一(美術・映像) / 横沢紅太郎(美術/映像) / 安部田保彦(美術)
 トックン(美術) / 鹿島なつき(美術) / 南波瑞樹(美術) / 小椋加奈子(美術)
 三浦彩有花(美術) / 田中篤史(音響) / 後藤もみ(音響) / 鈴木章夫(照明)
 山下恭弘(カメラ) / 梅田航(カメラ) / 藤中悦子(物販) / 川原純(制作) / 中谷潤(制作)
 馬渕仁彦(制作) / 他

INFORMATION
OPEN: 17:00 / START: 18:00
ADV: 4000 / DOOR: 未定 (ドリンク別)
TICKET
11/13発売
EAST店頭初日の販売は、11:00~電話予約が必要です。
EVENTER
O-EAST 03-5458-4681
 


East « Shibuya-O Group

今年最後のライブです。

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渋さ知らズオーケストラ』のヴォーカルとして、恒例の年納め江古田BUDDY。いろいろ歌わせていただける模様です。うわあい!酸欠と終電を覚悟でおいでください。まだチケットあるんだろうか。

※ちょっとだけ坊主を伸ばしてみました。気分は盆栽。

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【江古田BUDDY INFO】☆12/27(土)『渋さ知らズオーケストラ』
■前売り予約¥3,500 当日¥4,000 (+ドリンク代¥600)■OPEN18:30/START/19:30 

Force

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私は祖母をBABAと呼んだのだが

BABAが死んだ翌日から、彼女の部屋にあった7分進んでいた時計がどんどん遅れて、今針が指しているのは1時間前なのか11時間先の未来なのか。

そういえば何年も前の正月番組に現れたユリ・ゲラーに、「テレビの前のみなさん、スプーンを用意して。そして一緒に念じてください。」と言われ、素直な祖母はワクワクしながら台所へ行き、アイスクリームを食べる用のスプーンを引っ張り出してきた。(好物:ハーゲンダッツのバニラ)テレビの向こうのユリ・ゲラーは、真剣だけれどごく普通のことという面持ちで、共演者たちにもそれぞれスプーンを持たせ、「さあ、一緒にイメージして。」と声を掛けてくる。BABAはテレビの前の椅子にしっかりと腰を下ろし、身を乗り出して一緒に(向こうは英語を使っている。)「曲がれ、曲がれ」と声を合わせ始めた。一生懸命スプーンを凝視し、こするBABAの様がおかしくて、私はベッドで笑い転げていた。まさか、何ヶ月も前にスタジオ収録をした過去映像の出演者であろうユリ・ゲラーがBABAと呼応するなんて思いもしなかった。

きゃっきゃと歓声を上げながら、「ねえ!見て!見て!」と曲がったスプーンを自慢するBABAを呆然と見つめたのは、何年前のことだろう。

時計は、映画『White Elephant』にも登場します。