革命家達
2013年12月の、ある日。四人の高校三年生と友人になった。
たまたまその晩、インターネットで見つけた画面の向こうの彼らは首相官邸前にいて、両手で作ったメガホンで「あんた達大人がしっかりしないから、勝手にどんどんこんなことになっちゃうんだ!馬鹿野郎!ちゃんと僕らの話も聞け!秘密保護法案反対!」と、叫んでいた。
風邪をひいてゴロゴロと布団に寝転がっていた私は、どうにも申し訳なくなってしまい、せめて彼らに会って謝りたいと思ったので、急いでコートを着込んで電車に乗った。
画面上に現れていた観覧者数は確か数千を超えていたと思うが、実際に現場に辿り着いてみると大人は監視の警官しかおらず、彼らの姿もない。捕まったのか帰ったのか。とTwitterで呟いたところ、私の呟きを読んだ別の人からTwitte越しに「経産省前の反原発テントに匿われているらしいです」とメッセージが届き、足を向けた。
SNSは苦手だが、思い返せばTwitterにはいろんな縁を結んでもらったな。と今書きながら思うけれども、とにかくそうして私は彼らを見つけ、「謝りに来ました。」と変テコリンな最初の挨拶をして、友だちになった。
ちょうどその頃受験生だった彼らはなんとか無事に、なのか、大学に進学し、それでも事態は変わらないことに憤り、勉強しながら声を上げ、今日もまた、あの、私達が初めて出逢った首相官邸前で、秘密保護法案の抗議行動を行うという。今日が閣議決定の日だという情報を得たからだそうだが、閣議決定自体は延期の模様。それでも、とにかく彼らは必死の連帯を組んで、意志を表明しようと今もそれぞれが走り回っている。私も一緒に走りたい気持ちだが、今日は福島のいわきで一つ、任せていただいている授業があり、今はそこへ向かうスーパーひたちの中なので、せめて到着前までに彼らのことを伝えたくて、iPhoneに協力してもらいつつ、大急ぎでこれを書いています。あと15分。でも授業のことも決めなくちゃ。急げ。
「君たちのような子は、例えば大学の中に何割くらいいるの?」と聞くと、しょんぼり肩を落として、1割もいない。と言う。
みんな、きっと何かおかしいことは分かっているんです。でも、動いたりはけしてしないんです。もっと、なんというか、彼らの欲求にコネクトしなくちゃって思うんだけど、どうしていいのかわからない。このまま進んで行ってはいけないのに、これでは何も止めることが出来ない。僕らの未来なのに。
悩みはどこも永遠に同じだ。
けれど、
方法はきっと、あるはずだ。
・・・と書き終えたところで電波が途切れてしまった。あと一分で抗議行動開始時刻か。すまん、なんの応援にもならなかった。
今日も豊間小の子ども達は元気だった。
福島には泉が湧いている。
同じ絵を、天草に暮らしていたとき、毎日集まってくる子ども達ににもみくちゃにされながら見た。
どうかみんなの声が
届きますように。
あのころもいまも
願うことは何も変わらない。